経済産業省 中小企業庁事業 地域中小企業・小規模事業者人材確保等支援事業 にて過去に実施した取り組みについて掲載しております

会社が伝えたいことと学生の知りたいことのギャップとは?

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「魅力発信グランプリ2016」は、採用パンフレットについて、会社が伝えたいことと学生が知りたいこととのギャップを 洗い出し、学生に見てもらえる採用パンフレットを作ることを目的に実施しました。その結果、見えてきたギャップは次のとおりです。

〇採用パンフレットと会社案内は別物

中小企業では、会社案内を採用活動時に配布することが多いようです。しかし、取引先に自社を知っていただくパンフレッ トと採用のためのパンフレットでは、目的が違います。

目的が違えば、アプローチする方法や内容、言葉のチョイスまでが 違うということを改めて認識しました。就活生にパンフレットを手に取って欲しいと思うならば、「この会社ってなんだろ う?」「おもしろそう!」という動機を起こすための工夫が必要です。

〇学生への情報提供は2段階ある

中小企業の採用活動で大切なことは、「パンフレットを手に取ってもらい、会社の存在を知ってもらうこと」です。

その ファーストステップは、会社説明会や合同面接会などで、自社を知らない就活生に興味を持ってもらうために配布する段階。 次のステップは、自社に少しでも興味を持ち、能動的に企業にコンタクトをとってきた就活生に「会社のことをもう少し詳 しく知ってもらう」ことを目的とする段階です。

ここでは、ターゲットの明確化やその段階にあった内容をパンフレットに 掲載することが大切だということが、今回の魅力発信グランプリで明確になりました。

〇会社の存在を知ってもらうためのパンフレット

売り手市場と言われる現在の就職活動状況では、就活生は大企業や知名度のある会社を優先させる傾向にあるようです。 実績のある中小企業であっても、名前を知らなければ、就活生は興味を持ちません。まずは、「この会社、何の会社なんだ ろう?」と興味を喚起することが必要のようです。

今回の魅力発信グランプリで学生がとった手法は…

  • 表紙には「この会社なんだろう?」と思わせたり、「このキャッチコピーってどういうこと?」と興味をそそる仕掛け を作る。
  • 表紙に名前から連想される事業内容のイメージをあえて持って来ない。
  • 他社はA4サイズのパンフレットが多い中、カバンに入れやすいB5サイズにする。
  • 専門用語は使わず、誰でもわかりやすい表現におきかえる。
  • 就活生に馴染みやすいポップなカラーや表現を採用する。
  • 学生は活字を読まない。⇒極力文字数を減らし、写真、図、イラストなどで伝えたいことを表現する。
  • キャッチコピーや自己診断ができるような参加型にする工夫などで、就活生が「自分ごと」としてとらえられる仕掛け を作る。
  • 入社後の自分の成長が想像できる内容(研修プログラム、年数を追っての仕事の変化)や一日のスケジュールが知りたい。
  • 女性の採用に力を入れたいと思っている会社なら、表紙のデザインを華やかな「カワイイ」ものにする。

などの提案がありました。

〇「会社が伝えたいこと」より「学生が知りたいこと」を優先

「会社が伝えたいこと」は、事業内容や会社の製品や技術力、業界内での優位性が優先されます。しかし、今回の魅力発信グランプリのプレゼンからは、学生の興味関心は、「自分がこの会社でどういう風に働いていくのか」にあるように思われます。

全10社の発表のうち、7社のパンフレットに「先輩社員の1日のスケジュール」や「入社後の成長年表」が掲載 されており、「会社が伝えたいこと」より大きなスペースが割かれていました。

〇学生の価値観に合わせる

パンフレットは学生が読みやすいカタチにすることが大事です。  現在の学生の傾向から見えてきたのは、

  • 縦書きより横書きの方が読み慣れている
  • 活字ばなれしているため、一目見て理解できる写真やイラストを多用する
  • 数字はグラフや図形におきかえる
  • 硬いイメージより柔らかいものやポップなものが好まれる
  • 長文は読みにくいので、センテンスは短く
  • キャッチコピーで興味を引きつける
  • ネット情報の方が気軽にアクセスしやすい

ということでした。

パンフレットにはたくさんの情報を詰め込むのではなく、簡単明瞭で興味を引く内容を記載し、さらに「知りたい」と思った就活生には、詳細を記載したWEBページへQRコードでリンクするという提案もありました。今やスマートフォンは学生 の必須アイテム。まずはパンフレットで会社を知ってもらい興味をもってもらったら、すぐにWEBへ誘導して詳しい情報 をというのも、有効な手段のようです。

また、会社の良さをアピールするために、サークル活動のこととか、定例的な飲み会のことをアピールしている会社もあ りまた。しかし、それを発表した学生に「君は入社したらこの飲み会に参加するか?」という質問がありましたが、その 学生の返答は否定的なニュアンスでした。

学生個人の嗜好の問題もありますが、少なくとも会社がいいと思っていることと学生のいいと思っていることとの間には、かい離が存在するということだけは、理解しておいた方がよさそうです。
(注)「QRコード」は(株)デンソーウェーブの登録商標です。

〇見てもらえるコンテンツ

今回の魅力発信グランプリでは「学生が知りたい内容、学生に見てもらえるコンテンツを知る」ということが、一番重要 な点でした。各企業とも「学生が参加してくれたからこそのいいパンフレットができた」とおっしゃってくださいましたが、 次の課題は、「そのパンフレットをいかにたくさんの学生に届けるか」です。

パンフレットは、学生に会社のことを伝える一手段。「学生が知りたい内容、学生に見てもらえるコンテンツ」がしっか りしていれば、あとは、何をどう使って企業の情報を発信し、パンフレットを手に取ってもらう機会を増やしていくかを考 えなければなりません。

中国NBCとして、今後、「コンテンツをしっかりさせたうえで、どのような道具を使えば、効果的に学生に伝わるのか」 ということも探っていきたいと思います。

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